悪いのは犬を捨てる飼い主|ラッキーを保護して2年経ち思うこと

犬 捨てる 飼い主

今日は2017/12/3 フェイスブックの中の人が「2年前の思い出をシェアしませんか?」と聞いてきました。

この「2年前の思い出」というのは、我が家の保護犬ラッキーを引き取るかどうかで、保健所のおじさんと電話をした日ことでした。

保護犬ラッキーは、譲渡対象から外れてしまった犬です。

つまり私が保護しなければ殺処分されていたかもしれないのです。

犬を捨てる飼い主の心理は、絶対に理解することは出来ません。

しかしながら今回は犬を捨てる飼い主が、ラッキーを捨てた事実を、その当時の事を振り返りながら書いてみたいと思います。

ちなみにラッキーの名前の由来は「殺されなくてラッキー」です。

ちょっとホラーでしょ。

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■チワワが迷子になっているという一報が入る

ここからは、私がFBに残した投稿をもとにお話を進めていきます。

この日から1週間、私のハラハラする日々が始まります。

毎日市役所の犬猫迷子ページを見て「まだ飼い主が現れない…」とため息をつく日々。本当にかわいそうでした。

しかし、この1週間という時間は、「このチワワの飼い主が現れなかったら飼おう」と決心するのに十分な時間でした。

実は保護されて3日を過ぎた頃には「ここまで飼い主が現れないということは捨てられたのだろう」と薄々感じていました。

それでも、飼い主さんが探しているのではないかと、フェイスブックはもちろん、地元掲示板やチワワの迷子掲示板などを検索し、飼い主さんを探しました。

でも、チワワを探している人は青森にはいませんでした。

完全に捨てられたのだと確信しました。

ちなみにラッキーが捨てられたのは11/25で、青森市では雪が降っていました。

スムースコートチワワを雪が降る外に捨てる行為は殺意がなければできないと思うのです。

それにしても…今まで育てた子を雪が降る外に捨てる。

全くもって私には理解できないことです。

そんな人間がこの世にいるのだという事実にも驚きますし、心が痛みます。

■1週間経ったので保健所に電話してみることに

捨てられた理由が何となくわかりました。

それにしても、今まで育てた子の足の付根が段々膨らんでくるとして、その時点で普通であれば病院に連れていくでしょう。

連れて行かないにしてもこのネット時代、調べれば大体どんな病気かわかると思います。

実際に私はおじさんとの会話の中で、鼠径ヘルニアだと予想することができました。

すごく悲しい気分になります。

あまり表に出したくありませんが、黒い気持ちが心に広がったのは事実です。

世話をしてくれる人がいなければ生きていけない無力な犬が病気になったのに、病院へも行かず治療せず、捨てる、つまり殺す選択をする。

全くこの飼い主の考えを理解することが出来ません。

本当に人間なのかと…人間は本当にひどい生き物なのだと思うのです。

そして私は決心します!

きっと鼠径ヘルニアだろう。

もしガンだったら、お金をかけてあげることが多分できないから私が看取ってあげよう。

そう決めました。

■動物愛護センターで講習を受けて譲渡してもらう

Jpeg

ブサい…今の方が絶対に可愛い。

譲渡してもらうには講習が必須なので、この日は他の方たちと共に、犬猫を飼うための心構えを学びます。

講習は愛護センターの獣医さんがしてくれます。講習の内容ははっきり言って、当たり前の事です。

・飼ったら看取るまで面倒をみる義務がある

・飼えるかどうか不安な場合は、飼わないという選択もある

・エサ代、トイレシート代、病院代、など育てるにはこんなに費用がかかります

など、もはや犬猫4頭いた私にはホント当たり前の事。

そしてその講習のなかですごくビックリしたことが

数の中には、譲渡して連れて帰った次の日、やっぱり無理ですと言ってまた愛護センターに戻す人がいるということです。

なので、獣医さんは講習で何度も何度も

少しでも不安がある方は絶対に連れて帰らないで下さい。」と言います。

講習が終わり、他の方たちは犬猫を選ぶために犬舎に行きました。この方たちが終わらないと私の順番が来ないらしい…

1時間待って、譲渡の手続きが始まります。

世間話などをしながら色んな書類にサインをして行きます。

獣医さんが言うには、年齢は3歳程度、しこりは鼠径ヘルニアだと思うし、先天性のものだと思う。という事。

そしてこの子を引き取っていただいて助かりますと言われました。

初めてご対面したラッキーはブルブル震えていました。本当に怖がっている目をしていて、抱っこすると、身体がとても硬くなっていました。

連れて帰るときにはケージかリードが無くてはならないようで、愛護センターのケージを借りて帰りました。

車に載せると、ピーピー鳴くラッキー。懐いてくれるかな?なんて思ってたけど、大丈夫そうです。

自宅に連れて帰ると、犬3猫1の洗礼を受けます。全くケージから出ることが出来ません。ケージを買ってあげないとだめだなぁなんて思いましたが、その日は会社の忘年会。

次の日、ホームセンターでケージを購入して、そのついでに愛護センターに借りたケージを返しに行きました。

その日は日曜日だからか、イベントが無いからか、前日とは違い人気がまったくありません。受付にも人がいませんでした。

私はケージを掲げて、奥にいる職員さんに見えるように気づいてもらうようにしてみました。

すると、私に気づいた職員さんがすごい顔で睨みつつ、私に寄ってきます。

職員さんが受付の窓を開けてすごく嫌そうに「なんですか?」と言ってきました。正直、もうちょっと愛想あっても良くない?と思いつつ

「すいません。実は昨日犬を譲渡してもらったのですが、その際に借りたケージを返しに来たんですが…すいません、全く消毒とかせず、そのまま持ってきてしまいました…」

というと、職員さんの顔が一気に笑顔に変わり

「あっそうですか~。大丈夫ですよ~こちらでキレイにしますから。わざわざありがとうございます!」

って別人?何?はぁ?なんであんな無愛想だったわけ?

ってちょっと考えたんですけど…

もしかして

自分の犬を捨てに来た飼い主だと思われた

もしくは

譲渡された犬をやっぱり違うって返しに来た人だと思われた

のかもなってちょっと思ったんです。きっと職員さんは飼い犬を平気で連れてくる飼い主をいっぱい見ているはず。

なんかやり切れないな~って思いました。

だって考えても見て下さい。ここで働く方たちは常に無力で可哀想な命と接しています。

獣医さんなんて、動物を助けるために獣医を志したはずで、自分の手で動物を殺すなんて、本当に辛い仕事をしているなと思いました。

悪いのは、犬を捨てる飼い主なのです。

 

■足の付根のしこりはやはり鼠径ヘルニアでした

2年経ったけど飼い主らしき人に話しかけられたことはありません。いいのです。私が可愛がっているのでそれでいいのです。

私が、いっぱいご飯をたべさせ、1キロ体重増やしてやりました。

そのせいで可愛いチワワに育ちました。

■2年経ってもやりきれない気持ちは同じ

2年経っても、皆と仲良く…はなれませんが、こうやって寝ることができるくらいにはなりました。

基本的にチワワは気が強いので、常に俺、俺、俺で自分から折れるということがありません。

それでも、猫とケンカのような遊びを毎日したり、物音に敏感に反応したり、ラッキーなりに毎日を楽しんでいるようです。

でも、きっと、本当の飼い主に会いたいってまだ思っているはずです。

冬に外に捨てられたのにです。殺されたのも同じなのにです。

でもそういうものなのです。

今でもきっとラッキーは飼い主を待っているのです。

動物を飼うということは看取るまで責任持つことです。

それが当たり前、それ以外のことを考えるなって思う。

この訴えが、犬・猫を捨てる飼い主に届いて欲しいと願います。

この世から捨て犬、捨て猫がいなくなり、動物愛護センターは「動物を愛護する場所」になってくれればいいなと思います。

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